FIP制度とは、太陽光や風力などの再生可能エネルギー(再エネ)の発電事業者が、電気を市場や取引先に自分で売り、その売値に一定の上乗せ(プレミアム)を受け取る制度です。2022年4月に始まりました(※1)。
それまでのFIT制度(固定価格買取制度)では、発電した電気は決まった価格で買い取ってもらえました。FIP制度では、電気の値段が市場の相場で動くため、いつ発電して、どこに売るかで収入が変わります。新しく認定を受ける大きな案件はFIPしか選べなくなり、国はFITからFIPへの移行を後押ししています(※4)。
本記事では、2026年10月時点の公表資料をもとに、FITとの違い、プレミアムの計算方法、対象と移行の手続き、電気の売り方、そしてFIP電源から電気を調達する小売電気事業者にとっての意味を、初めての方にもわかるように解説します。
30秒でわかるFIP制度
・何の制度か:再エネの電気を自分で売り、その売値にプレミアムを上乗せして支える制度
・収入の式:市場などで売った代金+プレミアム。プレミアム=基準価格−参照価格で、毎月決まる
・FITとの一番の違い:価格の変動と、計画どおりに発電する責任を発電事業者が負う
・対象:2026年度の新規認定では、50kW以上の事業用太陽光や陸上風力はFIPのみ
・いまの動き:出力制御の順番の変更やバランシングコストの上乗せで、FITからの移行を後押し
FIPは「Feed-in Premium(フィード・イン・プレミアム)」の略です。再エネ特措法の改正により、2022年度に導入されました。目的は、再エネを電力市場に組み込んでいくことです(※1)。
たとえるなら、FITは「つくった野菜を、決まった値段で全部買い取ってもらう契約」です。相場が安い日も高い日も、受け取る金額は変わりません。これに対してFIPは「野菜を自分で市場に出し、相場が安いときでも一定の上乗せで支えてもらう仕組み」です。相場が高い日にたくさん出荷できれば、そのぶん収入は増えます。
電気の相場は、30分ごとに変わります。電気が余りがちな晴れた日の昼は安く、足りなくなりやすい夕方は高くなる傾向があります。FIPのもとでは、発電事業者が相場を見て、高く売れる時間に多く売る工夫をする動機が生まれます。これが、FIP制度のねらいです。
FITとFIPの違いを、お金と電気の流れで並べると次のようになります。
【図1】FITとFIPのお金と電気の流れ

表1 FIT制度とFIP制度の違い
項目 | FIT制度 | FIP制度 |
|---|---|---|
電気の売り方 | 買取義務者に、決まった価格で買い取ってもらう | 卸電力市場や取引先(相対)に、自分で売る |
収入の決まり方 | 調達価格×発電量(一定) | 売った代金+プレミアム(市場価格で動く) |
価格の変動 | 受けない | 受ける。高い時間に売れば収入が増える |
発電の計画と、ずれの精算 | 特例により、発電事業者は負わない | 発電事業者(またはアグリゲーター)が負う |
環境価値(再エネであることの価値) | 発電事業者のものにならない | 発電事業者のもの。証書として売れる |
出力制御の時間帯 | 制御の対象 | 制御の対象。その時間に発電した分にプレミアムは出ない |
お金の受け取り先 | 買取義務者 | 売り先+OCCTO(プレミアム) |
出典:資源エネルギー庁「FIT・FIP制度ガイドブック」(※1)、資源エネルギー庁「FIP制度の活用促進に向けた勉強会について」(※3)をもとに作成
いちばんの違いは、価格が動くリスクと、計画どおりに発電する責任を、発電事業者自身が負う点です。その代わりに、売り方を工夫すれば収入を増やせる余地と、環境価値を自分で売れる権利を手にします。
FITでは、市場の相場と関係なく決まった価格で買い取るため、電気が余っている時間にも発電が続きます。買い取りにかかる費用は、再エネ賦課金として、すべての電気の利用者が電気料金と一緒に負担しています。再エネ賦課金の仕組みは、再エネ賦課金の解説記事で解説しています。
FIPなら、相場が安い時間には発電や売電を控え、高い時間に回す工夫が生まれます。国民の負担を抑えながら、再エネが他の電源と同じように市場の中で自立していくこと(自立化)が、国の目指す方向です(※4)。
プレミアムの単価は、次の式で決まります(※1)。
プレミアム単価 = 基準価格 − 参照価格
基準価格(FIP価格)は、認定を受けたときに決まる「目標の手取り単価」です。FITの調達価格にあたり、交付期間のあいだ変わりません。参照価格は、「市場で売れば、このくらい稼げるはず」という期待収入の単価です。参照価格は毎月計算し直され、それに合わせてプレミアム単価も1か月ごとに決まります(※1、※6)。
つまりプレミアムは、目標の手取り(基準価格)と、市場で見込める収入(参照価格)の差を埋めるものです。市場の相場が下がって参照価格が下がれば、プレミアムは大きくなります。
【図2】基準価格・参照価格・プレミアムの関係

参照価格は、3つの部品からできています(※2、※3)。
参照価格 = 市場で売ったときの期待収入 + 環境価値の相当額 − バランシングコスト
1つめは、市場で売ったときの期待収入です。前年度の年間平均の市場価格をもとに、今年度と前年度の同じ月の差を足して、季節による相場の動きを反映させます(※2)。たとえば、前年度の年間平均が8円、今年4月の平均が6円、前年4月の平均が7円なら、4月の期待収入は8円+(6円−7円)=7円です。太陽光や風力は、発電する時間帯の相場を重く見て平均します(※2)。市場価格が0.01円の時間帯は計算から除きます(※2)。
2つめは、環境価値の相当額です。FIP電源の電気が持つ「再エネである」という価値は、発電事業者が証書として売れます(後述)。その売上の見込みを、あらかじめ参照価格に含めておきます(※3)。
3つめは、バランシングコストです。FIP電源は、発電量を予測して計画をつくり、計画とのずれを精算する必要があります。その手間と費用を補うための金額で、参照価格から差し引きます(※3)。差し引くので、そのぶんプレミアムは大きくなります。
参照価格とその内訳は、2025年2月から電力広域的運営推進機関(OCCTO)がエリア別・月別に公表しています(※3)。実際の値は、この公表値で確認できます。
仮の数字で、ある月のプレミアムを計算してみます(実際の値ではありません)。
計算例(仮の数字、単位:円/kWh)
・基準価格:10.0(認定時に決まる目標の手取り単価)
・市場で売ったときの期待収入:7.0、環境価値の相当額:0.5、バランシングコスト:1.0
・参照価格:7.0+0.5−1.0=6.5
・プレミアム単価:10.0−6.5=3.5
この月に10万kWhを発電・供給したなら、プレミアムは3.5円×10万kWh=35万円です。これに、市場や取引先に売った代金と、証書を売った代金が加わります。
ここで大切なのは、プレミアム単価は同じ月・同じエリア・同じ基準価格の事業者なら全員同じだという点です。差がつくのは売り方です。たとえば、相場の高い時間に多く売って平均8円で売れた事業者Aと、相場の安い昼に偏って平均6円になった事業者Bでは、同じプレミアム3.5円を受け取っても、1kWhあたりの手取りは2円違います(証書の売上を同じと仮定)。FIPが「売り方で差がつく制度」といわれるのは、このためです。
参照価格が基準価格を上回る月は、プレミアムはゼロです。市場で売るだけで目標の手取りを超えられる、と見なされるためです。
また、市場価格が0.01円になる時間帯、つまり電気が余って出力制御が起きるような時間帯に発電した分には、プレミアムは交付されません(※1、※4)。電気が余っている時間に発電しても、上乗せはもらえないということです。出力制御の仕組みは、出力制御の解説記事で解説しています。
バランシングコストは、FIP電源だけに交付される、予測と計画づくりの支援です(※3)。もともとは年々少しずつ減らしていく予定でしたが、FITからFIPへの移行を促すため、2025年度に1kWhあたり1.00円が上乗せされ、2026年度も1.00円の上乗せが決まりました(※3、※4)。
表2 バランシングコストの交付額(単位:円/kWh)
年度 | FIP開始が2023年度以前 | 2024年度開始 | 2025年度開始 | 2026年度開始 |
|---|---|---|---|---|
2024年度 | 0.90 | 1.00 | − | − |
2025年度 | 1.80(0.80+1.00) | 1.86(0.86+1.00) | 2.00(1.00+1.00) | − |
2026年度 | 1.70(0.70+1.00) | 1.73(0.73+1.00) | 1.83(0.83+1.00) | 2.00(1.00+1.00) |
出典:資源エネルギー庁「FIP制度の活用促進に向けた勉強会について」p.25(※3)、調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」p.97(※4)をもとに作成。括弧内は本来の額+上乗せ額
この上乗せは、出力制御の順番をFIT電源→FIP電源に変えることで抑えられる国民負担の範囲内で行われます。2026年度は、抑えられる額が約37億円(1kWhあたり約1.12円)と試算され、その範囲内で1.00円とされました(※4)。上乗せは、FIT/FIP全体に占めるFIP電源の割合が25%に達する年度まで続け、2027年度以降の額は翌年度の委員会で決まります(※4)。
FIP制度の対象は、原則として出力50kW以上の再エネ発電設備です(※4)。2026年度に新しく認定を受ける場合、主な電源の区分は次のとおりです。
表3 主な電源のFIT・FIPの区分(2026年10月時点)
電源・区分 | 2026年度 | 2027年度 |
|---|---|---|
事業用太陽光(地上設置)50kW以上 | FIPのみ(250kW以上は入札) | 支援の対象外 |
事業用太陽光(地上設置)10kW以上50kW未満 | FITかFIPを選べる | 支援の対象外 |
事業用太陽光(屋根設置)10kW以上 | FIT・FIPの価格を設定 | FIT・FIPの価格を設定 |
住宅用太陽光(10kW未満) | FITのみ | FITのみ |
陸上風力(新設)50kW以上 | FIPのみ(入札) | FIPのみ |
陸上風力(リプレース)1,000kW以上 | FIPのみ | FIPのみ |
大規模バイオマス(一般木質等10,000kW以上、液体燃料) | 支援の対象外 | 支援の対象外 |
出典:調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(※4)、資源エネルギー庁「事業用太陽光発電におけるFIT/FIP制度の支援重点化について」2026年7月28日 p.29(※5)をもとに作成。沖縄・離島等では、FIPのみの区分でもFITを選べる
2026年度の基準価格は、地上設置の50kW以上(入札の対象外)が9.6円、10kW以上50kW未満が9.9円です。屋根設置は、5年目までが19円、6年目から20年目までが8.3円という2段階になっています(※4、※9)。入札の対象となる区分では、落札した価格がその案件の基準価格になります。交付期間は、太陽光(10kW以上)と陸上風力で20年です(※1)。
注目したいのは、2027年度以降、地上設置の事業用太陽光がFIT・FIPの新規の支援から外れることです(※4、※5)。コストが十分に下がり、支援に頼らずPPA(電力購入契約)などで事業が成り立つ案件が出てきたこと、地域との共生に課題がある案件が見られることが理由です(※4)。これからの太陽光は、屋根設置などを中心にFIPで支援を受けるか、需要家と直接契約するPPAで事業を組み立てるか、という見取り図になります。PPAの仕組みは、PPAの解説記事で解説しています。
FIP電源の電気の売り先は、大きく3つあります(※3)。
・ 卸電力市場で自ら売る:相場の動きをそのまま収入に取り込める一方、価格が下がるリスクも直接受けます
・ アグリゲーター(特定卸供給事業者)に任せる:多くの発電所をまとめて予測・計画・売電を代行する事業者です。小規模な発電事業者にとっては、もっとも現実的な選択肢です
・ 小売電気事業者や需要家と長期の相対契約を結ぶ:あらかじめ価格の決め方を約束しておくことで、収入の変動を抑えられます。需要家にとっては、長期にわたって再エネの電気を確保する手段になります
【図3】FIP電源の売り方:電気・環境価値・プレミアムの流れ

アグリゲーターは、小規模な事業者にとって必ずしも身近な存在ではありません(※8)。そこで資源エネルギー庁は、FIP電源向けのアグリゲーターのプランを「なっとく!再生可能エネルギー」に掲載する仕組みを2025年に始めました(※7)。2025年10月末時点で約30社が掲載されています(※8)。アグリゲーターの役割は、電力アグリゲーターの解説記事で解説しています。
FIPでは、発電事業者(またはアグリゲーター)が、30分ごとに「これだけ発電します」という計画を事前に出します。実際の発電が計画とずれると、そのずれを後から一般送配電事業者と精算します。このずれをインバランスと呼びます(※3)。
FITでは、この計画づくりと精算を送配電事業者などが代わりに引き受ける特例があり、発電事業者は意識する必要がありませんでした。FIPに移ると、天気の予測が外れれば費用がかかります。バランシングコストは、この負担を補うためのものです。インバランスの精算に使う単価は、需給調整市場の調整力の価格と結びついています。詳しくは、需給調整市場の解説記事で解説しています。
電気そのものは、どの発電所でつくっても同じです。それでも「この電気は再エネでつくられた」という事実には価値があり、これを環境価値と呼びます。CO2を出さずにつくられたことを、企業が温暖化対策の報告などで示すために求められているからです。
この環境価値を、電気とは切り離して取引できるようにした「証明書」が、証書です。FIP電源の環境価値は、「非FIT非化石証書」として、発電事業者が自ら売ることができます(※3)。FITの電気の環境価値は、賦課金を負担する電気の利用者全体のものとされ、発電事業者のものにはなりません。この点も、FIPの大きな違いです。
非FIT非化石証書は、小売電気事業者が国から求められている非化石電源の調達目標に使えるほか、一定の条件を満たせば、需要家が発電事業者から直接買うこともできます(※10)。直接取引できる対象は、FITから移行した案件にも広がり、2025年1月の発電分からは2021年度以前に運転を始めた案件にも拡大しました(※3)。非化石証書の種類や仕組みは、非化石証書の解説記事で解説しています。
FIPでは、蓄電池を組み合わせると、売り方の工夫の幅が広がります。相場の安い昼に発電した電気をためて、高い夕方に売る、出力制御で捨てるはずだった電気を逃がさない、といった使い方です。
2025年4月からは、すでにFIPの認定を受けている設備でも、系統(送配電網)から蓄電池に充電できるようになりました。ただし、プレミアムが出るのは、認定を受けた発電設備でつくった電気を放電した分だけです(※3)。また、FITからFIPに移るときに蓄電池を設置する場合は、基準価格が見直されます。2025年4月から、過積載率(パネルの容量が変換装置の容量をどれだけ上回るか)に基づくピークカットの割合で、元の価格と十分に低い価格を加重平均する計算方法になりました(※1、※3)。系統用蓄電池の事業については、系統用蓄電池の解説記事で解説しています。
すでにFITの認定を受けている案件も、一定規模以上なら、事業者が希望すればFIPに移行できます(※1)。新規の支援が終わる地上設置の事業用太陽光(2027年度以降)や大規模バイオマス(2026年度以降)も、すでにFIT認定を受けた案件は、FIPへの移行が認められています(※4)。
手続きは、移行の認定を申請し、認定を受けたうえで、OCCTOの「再エネ業務統合システム」に登録して、プレミアムの交付を受ける流れです(※6)。あわせて、売り先(アグリゲーターや小売電気事業者など)との契約を整え、発電計画を出せる体制をつくっておく必要があります。
表4 FIP移行のメリットと注意点
メリット | 注意点 |
|---|---|
相場の高い時間に売れば、収入が増える | 収入が市場の相場で動き、下がることもある |
環境価値を証書として自ら売れる | 発電計画とインバランスの精算に、手間と費用がかかる |
出力制御で、FIT電源より後に制御される(2026年度または2027年度から) | アグリゲーターに任せる場合は、手数料や契約条件の確認が必要 |
バランシングコストの上乗せを受けられる(FIP比率25%まで) | 出力制御の時間帯に発電した分には、プレミアムが出ない |
蓄電池を組み合わせて、売る時間をずらせる | 蓄電池を後から付けると、基準価格が見直される |
出典:資源エネルギー庁「FIP制度の活用促進に向けた勉強会について」(※3)、調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(※4)をもとに作成
特に大きいのは、出力制御の順番の変更です。2026年度または2027年度から、電気が余ったときは、まずFIT電源を止め、その後にFIP電源を止める順番に変わります(※1、※3)。FIP電源は相場を見て発電を控える工夫ができるため、その働きを公平に評価する狙いです。出力制御が多いエリアの発電所にとっては、移行を考える大きな材料になります。
どちらが得かは、一律には言えません。相場の高い時間に売る工夫ができるか、予測と計画の体制を自前で持つかアグリゲーターに任せるか、蓄電池を組み合わせるか、といった条件で変わります。移行の判断では、これらの観点を一つずつ確かめることが大切です。
FIPの認定は、2024年12月末時点で約3,130MW・1,701件(新規874件、移行827件)でした(※3)。陸上風力では、2025年12月時点で88件・約2,351MWがFIPの認定を受けています(※4)。それでも、FIT/FIP全体に占めるFIP電源の割合はまだ約3.5%で、FIP電源の発電量は年間約33億kWhです(※4)。国が25%を一つの目安に移行を後押ししているのは、このためです。
FIP電源は、小売電気事業者にとって、長期の相対契約で再エネの電気を確保できる調達先になります。実際に、FITからFIPに移った約250kWの太陽光発電所が、再エネを求める需要家のために、小売電気事業者と相対契約を結んでいる例も紹介されています(※3)。
相対契約では、価格の決め方(固定価格にするか、市場価格に連動させるか)を取り決め、発電の30分ごとの実績をもとに精算することになると考えられます。
FIP電源の電気を自社の需給の計画の中で受け取る場合、太陽光や風力の発電予測のずれが、自社のインバランスとして表れることがあります。発電予測の精度や、30分ごとの計画づくりの体制が、これまで以上に重要になると考えられます。
表5 小売電気事業者から見たFIP電源の調達
項目 | 何が起きるか | 必要になる実務 |
|---|---|---|
電気 | 長期の相対契約で再エネを確保できる | 価格の決め方の取り決め、30分ごとの実績での精算 |
環境価値 | 非FIT非化石証書を組み合わせて再エネメニューにできる | 需要家ごとの割り当ての管理と報告 |
需給管理 | 発電予測のずれが自社のインバランスに表れうる | 発電予測と30分ごとの計画づくり |
料金・請求 | 再エネメニューの料金と環境価値を需要家に届ける | 料金計算と請求書への反映 |
FIP電源から調達した電気と環境価値は、最終的に、需要家との契約(再エネメニューなど)と毎月の電気料金・請求書に反映されます。この層を受け持つのが、当社が提供する Unisrv 電力CIS(顧客情報管理クラウドシステム)です。
また当社は、経済産業省・資源エネルギー庁の「FIT/FIP管理システム」を、クラウド上に構築し、2017年4月から運用しています。発電事業者と国のあいだで行う事業計画認定の申請や定期報告を一元管理する「再生可能エネルギー業務管理システム」と、入札の手続きを支える「入札システム」からなり、約430万以上の拠点を管理しています。詳しくは、導入事例をご覧ください(※11)。
FIP電源から調達した電気と環境価値を、需要家ごとの料金メニューと電気料金の請求に反映するのは、当社が提供するUnisrv 電力CISの仕事です。詳細は、無料相談にてお尋ねください。
A. 一律には言えません。FIPは、相場の高い時間に売る工夫ができれば収入が増え、環境価値も自分で売れます。一方で、収入が相場で動き、発電計画とインバランスの精算に手間と費用がかかります。売り方の工夫、予測の体制、蓄電池の有無などの条件で判断することが大切です。※「FITからFIPへの移行(FIP転)」参照
A. OCCTOが、2025年2月から参照価格とその内訳をエリア別・月別に公表しています。参照価格は、市場で売ったときの期待収入に環境価値の相当額を加え、バランシングコストを差し引いて求めます。※「プレミアムの仕組みと計算方法」参照
A. できます。小売電気事業者は、FIP電源と長期の相対契約を結んで電気を調達できます。その電源の非FIT非化石証書を組み合わせれば、実質的に再エネの料金メニューとして需要家に届けることもできます。※「小売電気事業者にとってのFIP」参照
FIP制度は、再エネの電気を自分で売り、その売値にプレミアムを上乗せして支える制度です。プレミアム単価は基準価格から参照価格を引いて毎月決まり、同じ条件の事業者なら全員同じです。差がつくのは、いつ、どこで、いくらで売るかという売り方です。
新規の大きな案件はFIPのみとなり、出力制御の順番の変更やバランシングコストの上乗せで、FITからの移行も後押しされています。2027年度以降、地上設置の事業用太陽光は新規の支援から外れ、FIPとPPAを組み合わせた事業の組み立てがますます重要になります。
小売電気事業者にとって、FIP電源は電気と環境価値の調達先です。そこで必要になるのは、調達した電気と環境価値を、需要家との契約と毎月の請求に正しくつなぐことです。
※1 資源エネルギー庁「FIT・FIP制度ガイドブック」(2026年版)p.6、p.10、p.12、p.22、p.25:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/data/kaitori/2026_fit_fip_guidebook.pdf
※2 資源エネルギー庁「FIP制度における基準価格とプレミアム」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/fip_2020/fip_seido_gaiyou.pdf
※3 資源エネルギー庁「FIP制度の活用促進に向けた勉強会について」(2025年9月11日 資料1)p.9〜29:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/fip_sokushin/fip_seminar01_01.pdf
※4 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日)p.33、p.97〜99、参考資料:https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20260205_1.pdf
※5 資源エネルギー庁「事業用太陽光発電におけるFIT/FIP制度の支援重点化について」(2026年7月28日 資料2)p.29:https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saiene_shuryoku/pdf/003_02_00.pdf
※6 電力広域的運営推進機関「FIP制度 制度概要」:https://www.occto.or.jp/fip/fip_gaiyou.html
※7 資源エネルギー庁「FIP事業者とアグリゲーターのマッチングに向けたプラン掲載について」(2025年8月12日):https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/announce_fip_matching.html
※8 資源エネルギー庁「再エネ主力電源化に向けたFIP制度・併設蓄電池の活用促進について」(2025年11月6日、太陽光発電協会シンポジウム講演資料)p.14:https://www.jpea.gr.jp/wp-content/uploads/sw2025_sympo42_s6_doc1.pdf
※9 資源エネルギー庁「買取価格・期間等|FIT・FIP制度」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html
※10 資源エネルギー庁「再エネ価値が適切に評価される環境の整備」(2025年9月8日)p.6:https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/075_01_00.pdf
※11 ユニファイド・サービス 導入事例「資源エネルギー庁」(FIT/FIP管理システム):https://unisrv.jp/cases/fit_fip-enecho.php
2026年10月23日
この記事の著者

甲斐 博一
ユニファイド・サービス株式会社 CMO
グローバルIT企業における23年間のマーケティング経験に経営企画のスキルも加えB2B/B2Cともに経営とマーケティングを結び付けていくことをモットーとする。また、数多くのデジタルマーケティングおよびECの立ち上げや衰退ビジネスの立て直しも経験し、Webサイトを事業に貢献させてきた経歴を持つ。現在はユニファイド・サービスにて、B2B領域のビジネスにフォーカスし、CMOとしてマーケティングを推進すると同時に、新規事業計画と成長を支援する活動を並行して実践中。経営とマーケティング、事業企画、そしてリーダーシップを次世代に伝えていくための活動もライフワークとして行っている。