【図1】アグリゲーターの位置と2階層

アグリゲーターは役割で2階層に分かれます。リソースアグリゲーター(RA)は、リソースの保有者と直接契約を結び、機器を制御する事業者です。アグリゲーションコーディネーター(AC)は、複数のリソースアグリゲーターを束ね、市場や一般送配電事業者と取引する事業者です。1社が両方を担うこともあれば、小売電気事業者や機器メーカーがRAとして参加し、ACに束ねてもらう形もあります(※5)。図1はこの2階層と、次に説明する届出の範囲を示しています。
法律上の位置づけは、電気事業法第27条の30に定める「特定卸供給事業」です。他者が維持・運用する発電等用電気工作物から集約した電気を、小売電気事業者や一般送配電事業者などに卸供給する事業で、供給能力の合計が1,000kWを超える見込みの場合、事業開始の30日前までに経済産業大臣へ届け出る必要があります。2020年6月に成立した改正電気事業法で創設され、2022年4月に施行されました。許可制ではなく届出制ですが、届出なしで事業を行えば法令違反になります(※2、※13)。
ここで押さえておきたいのは、「アグリゲーター=特定卸供給事業者」ではないことです。届出が必要になるのは、束ねた電気を卸供給し、かつ供給能力が1,000kWを超える場合です。需要側のDRだけを束ねて卸供給を伴わない場合、規模が1,000kW以下の場合、小売電気事業者が自社の供給のために需要家のリソースを束ねる場合は、届出の対象になりません。表1に役割と届出の要否を整理します。
表1 アグリゲーターの役割と特定卸供給事業の届出の要否
形 | 何を束ねるか | 誰に供給・提供するか | 特定卸供給事業の届出 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|---|
アグリゲーションコーディネーター(AC) | 複数のリソースアグリゲーターのリソース | 卸電力市場、需給調整市場、容量市場、一般送配電事業者、小売電気事業者 | 束ねた電気を卸供給し、供給能力1,000kW超なら必要 | |
リソースアグリゲーター(RA) | 需要家・発電事業者のリソースと直接契約して制御 | アグリゲーションコーディネーター(または自ら市場へ) | 自ら卸供給する場合は同じ基準で判断。ACに束ねてもらうだけなら不要 | |
小売電気事業者が自社で束ねる | 自社の需要家のDR・蓄電池 | 自社の供給力・インバランス調整に使う | 自社の小売供給のためなら不要。他社へ卸供給すれば必要 | 本記事H2-7 |
需要側のDRだけを束ねる | 需要家の需要抑制 | 容量市場の発動指令電源、一般送配電事業者の調整力公募など | 卸供給を伴わなければ不要(市場や公募の参加要件は別途) |
注:届出の要否は供給の形と規模で決まる。個別の判断は資源エネルギー庁の記載要領・Q&Aで確認し、事業開始の2か月前を目安に事前相談を行う。(※2)
太陽光の導入が進み、春や秋の晴れた休日の昼間には電気が余って出力制御が行われます。資源エネルギー庁の2026年度見通しでは、出力制御率は九州で6.9%、東北で4.0%に達します(※12)。一方で火力の休廃止が進み、需給のずれを埋める調整力を市場で確保する需給調整市場では応札の未達が続いています(※9)。余る時間帯に充電し、足りない時間帯に放電する、あるいは需要を動かす。その担い手を、個々の需要家ではなく束ねて供給する仕組みが必要になりました。出力制御の仕組みは出力制御の解説記事で説明しています。
束ねる対象は急速に増えています。資源エネルギー庁の2026年7月の資料では、需要側の蓄電池は400万kW程度、系統用蓄電池は連系済みが64万kW、契約申込みが約3,000万kW(いずれも2025年12月末時点)とされています(※11)。EVやエコキュートなどDRに対応できる機器も広がっています。これらは1台ずつでは市場に出せる大きさにならず、束ねる事業者がいて初めて価値になります。
国は制度でアグリゲーターを後押ししてきました。2015年にエネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(ERAB)に関するガイドラインを策定し、改定を重ねて2025年11月19日に最新の改定版を公表しています(※5)。2022年4月には特定卸供給事業を創設してアグリゲーターを法律上の事業として位置づけ、2026年度からは需給調整市場で低圧の小規模リソースや機器個別計測による参加が始まりました(※8)。資源エネルギー庁がアグリゲーターを電力需給の「司令塔」と呼ぶのは、こうした流れを受けたものです(※1)。
卸電力市場(JEPX)では、束ねた蓄電池の放電や自家発の電気(kWh)を売り、安い時間帯に充電して高い時間帯に放電する価格差を取ります。需給調整市場(EPRX)では、指令に応じて出力を上げ下げする調整力(ΔkW)を売ります。応動の速いリソースを束ねられるアグリゲーターが力を発揮する市場で、2026年度からは機器点が低圧のリソースを機器個別計測で参加させられるようになりました。ただし、一次調整力などの上限価格は2026年3月に19.51円から15円、9月に10円/ΔkW・30分へ下がっています(※9)。容量市場では、将来の供給力(kW)を売ります。DRや蓄電池を束ねて応札する「発動指令電源」の枠があり、2028年度向けのメインオークションではDRを含めて639万kWが落札しました(※4)。
市場に出さずに、特定の相手と直接契約して売る形もあります。たとえば小売電気事業者には、需要家の蓄電池やDRを束ねて「足りない時間帯に供給する」「計画と実績のずれ(インバランス)を小さくする」という価値を提供し、その対価として固定料金や成功報酬を受け取ります。一般送配電事業者に対しては、厳しい需給や災害時に備えて確保する調整力の公募(電源Ⅰ')に応札する形があります。2023年度向けの公募では、落札された調整力のうち約65%にあたる252.2万kWがDR、つまり発電所ではなく需要を減らす力でした(※4)。調整力の主役が、すでに発電所から需要側へ移っていることを示す数字です。
アグリゲーターの取り分は、市場や相対で得た収益に対する手数料と、リソース保有者との分配率の組み合わせで決まります。手数料の基準が総収入(グロス)か、充電コストやインバランスを差し引いた後(ネット)かで、同じ率でも保有者の手取りは大きく変わります。この点は選び方の章で仮の数値を使って示します。
表3 アグリゲーターの収益源と対応市場
収益源 | 何を売るか | リソース側に求められること | アグリゲーターの取り分の考え方 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|---|
卸電力市場(JEPX) | 電気そのもの(kWh)。価格差で稼ぐ | 充放電や発電の計画に従って動けること | 収益から充電コスト等を引いた額に対する分配、または手数料 | |
需給調整市場(EPRX) | 調整力(ΔkW)と応動分(kWh) | 商品ごとの応動速度、計測(受電点または機器点)、通信 | 確保分と応動分の収益に対する分配。未達ペナルティの帰属を契約で | 需給調整市場 |
容量市場・発動指令電源 | 供給力(kW) | 発動指令に応じて需要抑制・放電できること | 4年後の実需給年度に受け取る対価の分配 | 容量市場 |
小売電気事業者・一般送配電事業者との相対 | 供給力、インバランス低減、調整力 | 小売電気事業者との契約条件(DRメニュー等)に従うこと | 相対契約で定めた固定・変動の対価 | 本記事H2-7 |
FIP発電事業者の代行 | 計画値の作成、インバランスの引き受け、販売 | 発電実績の30分値の提供 | 売電収入に対する手数料 | FIP制度 |
2026年は、アグリゲーターの収益と実務の前提が4か所で動いた年です。表2に変更内容と公表・適用日、影響を整理し、順に解説します。
表2 2026年の転換点(2026年9月時点)
転換点 | 変更内容 | 公表・適用日 | アグリゲーターへの影響 |
|---|---|---|---|
需給調整市場の機器個別計測 | 機器点「低圧」のリソースが機器個別計測で参加可能に。機器点「高圧」は2027年度以降(関西・四国は2027年度下期、九州は2028年度、中部は2029年度以降)。特高と1,000kW以上は課題対応後。一次調整力の先行導入は2026年度当初の実施を見送り | 2026年度(第14回次世代の分散型電力システムに関する検討会、2025年11月19日) | 受電点の裏側にある低圧の蓄電池・EVを個別に評価して束ねられる。計測器と通信の要件、ベースラインの設定が実務の中心に |
需給調整市場の上限価格 | 一次調整力・二次調整力①・複合商品の上限価格を19.51円→15円→10円/ΔkW・30分へ段階的に引き下げ | 15円:2026年3月14日受渡分から。10円:9月1日受渡分から | 調整力の高値に依存した分配設計は成り立ちにくい。束ねる量と約定の精度で稼ぐ型へ |
ERABガイドライン改定 | 受電点計測が原則という記載を削除し個別計測を追加。ベースラインの個別管理と群管理(低圧は群管理が基本)。供給元小売電気事業者との情報共有の標準的な業務フロー。ネガワット調整金の単価と評価方法はアグリゲーターと供給元小売の契約で定める。低圧での留意事項 | 2025年11月19日公表 | 小売電気事業者との役割分担とデータのやり取りが明文化。需要家への対価の精算を契約に落とす必要あり |
高頻度経済DRのベースライン | High 4 of 5は過去30日のうちDR実施日と土日祝を除く直近5日の上位4日の平均。高頻度にDRを行うと4日分が確保できず、DR実施後の低い需要が算出対象に入ってベースラインが低く出る課題を整理 | 2025年11月19日(検討会資料5)。補正方法は検討中 | 経済DRを頻繁に行うほど評価が不利になる構造。補正の決定を待って運用を見直す必要あり |
出典:第14回次世代の分散型電力システムに関する検討会 資料4・5・6(2025年11月19日)(※6、※7、※8)、経済産業省 ERABガイドライン改定(※5)、EPRX「ΔkW上限価格について」(2026年7月30日)(※9)。
注:経済DRは、卸電力市場の価格が高い時間帯に需要を減らすなど、市場価格に応じて行うデマンドレスポンス。高頻度経済DRは、これを月に何度も繰り返す運用を指す。
これまで需給調整市場で評価される計測地点は、原則として受電点でした。工場の受電点の裏側に蓄電池があっても、工場全体の需要の変化としてしか評価されません。2026年度から、機器点が低圧のリソースについては、機器に接続した計量器で個別に評価して参加できるようになりました。資源エネルギー庁が2025年に行ったニーズ調査では、回答48社のうち37社が機器個別計測での参加を検討し、機器点10万kW未満のリソースは143件・約84.3万kW、うち蓄電池が91件・約37.8万kW、自家発火力が33件・約36.3万kWでした。参加予定の商品は三次調整力②が31%、一次調整力が30%、容量市場への参加予定も56%にのぼります。導入希望時期は2026年度が30%、2027年度が24%です(※8)。
一方で、需給調整市場の上限価格は2026年3月14日受渡分から15円、9月1日受渡分から10円/ΔkW・30分へ下がりました。資源エネルギー庁の資料では、上限価格付近の応札の多くを蓄電池が占めていたことが示されています(※9)。参加できるリソースは広がり、単価は下がる。アグリゲーターの収益は、少数の大口リソースを高値で回す形から、多数のリソースを束ねて約定の精度で稼ぐ形へ移っています。
2025年11月19日に公表されたERABガイドラインの改定は、機器個別計測の運用開始に合わせたものです。要点は5つあります。第一に、制御量を評価する計測地点は受電点が原則、という記載を削除し、個別計測を追加しました。需要家と小売電気事業者の合意がある場合(類型1①)と、供給元の小売電気事業者・アグリゲーター・需要家の合意がある場合(類型1②)に、機器に接続した計量器で評価した制御量に基づいて対価を支払い、ネガワット調整金を精算できます。第二に、ベースラインの設定を「個別管理」と「群管理」に分け、低圧の需要家は群管理で設定することを基本としました。第三に、下げDRの発動時に供給元の小売電気事業者へ実施時間や需要抑制量を通知する標準的な業務フローを示し、電力広域的運営推進機関の需要抑制計画ファイルと入力支援ツールの利用を推奨しました。第四に、ネガワット調整金は個別計測でも同じ考え方で精算し、単価に加えて需要抑制量の評価方法もアグリゲーターと供給元小売の契約で定めるとしました。最後に、低圧での留意事項として、個別管理は正確性が下がる可能性があり、群管理も群の生成が適切でなければ正確性が下がることを明記しました(※5、※6)。
特定卸供給事業者の届出は、制度開始の2022年に46社、2025年11月11日時点で129社・供給能力約5,300MWに増えました(※4)。資源エネルギー庁の一覧(2026年9月1日更新)では181社で、事業開始予定日が2026年10月以降の届出済み事業者も含まれています(※3)。顔ぶれは、大手電力やガス会社、総合商社、再エネ事業者や新電力、通信・IT、住宅メーカー、蓄電池やEVの関連企業、自治体が関わる地域の事業者まで広がっています。アグリゲーターは特定の業種の事業ではなく、リソースを持つ接点があれば参入できる事業になりました。一覧は資源エネルギー庁のページで公開されています。
届出は、事業開始の30日前までに経済産業大臣(窓口は資源エネルギー庁)へ行います。記載要領と届出様式、チェックリスト、Q&Aが公開されており、事業開始の2か月程度前に下書きで事前相談することが推奨されています。届出には、供給能力、供給先の種類、集約の方法、システムの構成などを記載し、「特定卸供給事業に係るサイバーセキュリティ確保の指針」への適合が求められます(※2)。届出制なので審査で許可を得る手続きではありませんが、届出を行わずに事業を始めることはできません。
届出の書類よりも重いのは体制です。第一に計量で、受電点または機器点の30分値を取得し管理する仕組みが要ります。機器個別計測では、検定を受けた特定計量器か、特定計量制度に基づいて届け出た特例計量器による計測が必要です(※6)。第二に制御で、EMSや通信でリソースに指令を出し、応動を記録します。第三に取引で、市場や相対の相手との契約と入札、計画値の提出を行います。第四に精算で、市場や相対から受け取った収益を、リソース保有者ごとに契約条件に当てはめて分配し、小売電気事業者とはネガワット調整金や実績データをやり取りします。この4つのうち、束ねた後の精算が最も手間のかかる実務になることについて、次章以降で扱います。
アグリゲーターは補助事業の受け皿にもなっています。2026年度の国の産業用蓄電池補助(経済産業省、執行はSII)では、「アグリ型」として、SIIに登録した蓄電池アグリゲーターとDR契約を結ぶことが要件のひとつになっており、2028年3月31日まで上げDR・下げDRに応じる必要があります(※10)。需要家が補助金を使って蓄電池を導入する際に、アグリゲーターが契約の相手として組み込まれる構造です。産業用蓄電池の補助要件は産業用蓄電池の解説記事で扱っています。
蓄電池やDRのリソースを持つ側には、3つの選択肢があります。自社で市場口座を持って運用する「自社運用」、使用権や電気を固定料金で相手に渡す「相対契約」、そしてアグリゲーターに運用を任せて収益を分配する「運用委託」です。3つの違いは系統用蓄電池の解説記事で整理しています。本章は、3つ目の運用委託でアグリゲーターを選ぶ場面を扱います。
契約で確認する項目を表4にまとめます。実際の現場で伺う話では、「手数料率だけで選んだが、充電コストの負担が所有者側で、手取りが想定の半分になった」という状況もよく生じているようです。
表4 アグリゲーターに委託するときに契約で確認する8項目
項目 | 確認すること | 見落とすと起きること |
|---|---|---|
手数料の基準 | 総収入(グロス)か、費用控除後(ネット)か。率は何に掛かるか | 同じ率でも手取りが変わり、試算が合わない |
分配率と最低保証 | 市場収益の分け方。最低保証(フロア)があるか、上振れの分け方 | 市場が下振れしたときの収入が読めない |
費用の帰属 | 充電した電気の代金、インバランス、市場手数料、ペナルティを誰が負担するか | 収益はあるのに手取りが残らない |
対応市場 | 卸・需給調整・容量の3市場すべてに出せるか。相対や発動指令電源の実績 | 一部の市場しか使えず、収益機会を逃す |
最小受付容量と束ね方 | 受け付ける最小の規模。他のリソースとどう束ねるか(群管理の方針) | 自社のリソースが評価されにくい群に入れられる |
SLAと故障時の扱い | 通信断や機器故障のときの責任分界、ペナルティの扱い、復旧の手順 | 故障時のペナルティを所有者が負う |
契約期間と切替条件 | 期間、中途解約、他社への切替時の手続きとデータの引き継ぎ | 条件が悪くても乗り換えられない |
実績データの開示 | 約定率、稼働率、応動の実績、分配の計算根拠を定期的に開示するか | 分配額の妥当性を検証できない |
どの形でも、小売電気事業者には精算の実務が発生します。ERABガイドラインの改定で、下げDRの発動時にアグリゲーターから供給元の小売電気事業者へ実施時間や需要抑制量を通知する標準的な業務フローが示され、ネガワット調整金の単価と需要抑制量の評価方法はアグリゲーターと小売電気事業者の契約で定めることになりました(※5、※6)。小売電気事業者は、アグリゲーターから届く30分値と制御実績を受け取り、需要家の請求に反映します。DRで減った使用量の扱い、DR報酬の還元、蓄電池の対価やリース料との合算、ネガワット調整金の受け払い、これらを需要家ごとに、毎月の締めに合わせて計算する必要があります。
実際の現場では、「アグリゲーターからの実績データが月末に届き、請求の締めに間に合わない」「DR報酬の還元を手作業で請求書に載せている」ということが良く起きています。ここで整理しておきたいのは、VPPやDRの業務が3つの層に分かれることです。リソースを計測し制御する層、需給調整市場や容量市場に応札して市場と精算する層、そして需要家と契約し料金を計算して請求する層です。前の2つはアグリゲーターの領域で、小売電気事業者の料金計算システム(CIS)が担うのは3つ目の層に限られます。小売電気事業者の料金計算は、もともと30分値を基に需要家ごとの料金を算出する仕組みであり、DRや蓄電池の対価を割引や明細として請求書に組み込む形は、この延長にあります。一方、アグリゲーターとの収益分配や市場との精算は料金計算の外側にあり、アグリゲーター側で確定した結果を受け取って請求に反映する、という役割分担になります。
精算を回すには、需要家の30分値、アグリゲーターから受け取るDR実績の確定値、需要家ごとの契約条件(メニュー、還元の方法)の3つを突き合わせる必要があります。先に決めておきたいのは、顧客マスタをどちらが持つか、30分値をどちらが取得して共有するか、DRの対価を電気料金の割引として請求書に載せるのか別払いにするのか、の3点です。請求書に載せる場合だけ、小売電気事業者の料金計算が関与します。30分値の取得と管理はMDMSの解説記事で扱っています。ユニファイド・サービスの「Unisrv 電力CIS」は、30分値を基に契約・料金メニュー・需要データを一元管理し、需要家の料金計算と請求を行う小売電気事業者向けの顧客情報管理クラウドシステムです。リソースの制御や、市場およびアグリゲーターとの取引・精算はアグリゲーター側のシステムが担う領域で、現在のUnisrv 電力CISの対象ではありません。詳しくは、以下の資料と無料相談をご利用ください。
・ 電力アグリゲーターは、分散型リソースを束ねて市場や小売電気事業者に提供する事業者。役割はアグリゲーションコーディネーターとリソースアグリゲーターの2階層
・ 法律上は特定卸供給事業。束ねた電気を卸供給し供給能力1,000kW超なら届出が必要で、届出事業者は46社(2022年)から181社(2026年9月)に増えた。届出が要らないアグリゲーションもある。
・ ビジネスモデルは3市場(卸・需給調整・容量)と相対、FIPの代行。2026年は機器個別計測で低圧まで参加が広がる一方、需給調整市場の上限価格は10円へ下がり、ERABガイドライン改定で小売電気事業者との役割分担と精算が明文化された。
・ 参入要件は届出と、計量・制御・取引・精算の体制。委託する側は、手数料の基準、費用の帰属、対応市場、SLA、データ開示など契約の8項目で選ぶ。
・ 小売電気事業者にとってアグリゲーターは供給力・インバランス・メニューの源泉。提携でも自社で束ねる場合でも、需要家への対価の精算が実務の中心になる。
アグリゲーターの競争力は、どれだけ多くのリソースを束ねるかから、束ねた後に計測と精算をどれだけ正確に回すかへ移っています。リソースを持つ側は契約の8項目で委託先を選び、小売電気事業者はアグリゲーターと組む前に需要家精算の仕組みを整える。この順番が、2026年以降にアグリゲーションを収益にする条件です。
ユニファイド・サービスの「Unisrv 電力CIS」は、電力小売事業者の契約・料金メニュー・需要データを一元管理し、30分値を基に需要家の料金計算と精算を行う顧客情報管理クラウドシステムです。担う範囲は小売事業の顧客・契約・請求の層であり、リソースの制御、需給調整市場や容量市場への応札、市場やアグリゲーターとの精算は対象ではありません。アグリゲーターと組んだDR・蓄電池メニューでは、アグリゲーター側で確定したDR実績や対価を受け取り、需要家ごとの請求書に割引や明細として反映する、という役割分担になります。反映の仕方は契約ごとに異なるため、料金メニューの設計段階からご相談ください。
※1 資源エネルギー庁「電力の需給バランスを調整する司令塔『アグリゲーター』とは?」(2022年12月9日):https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/aggregator.html
※2 資源エネルギー庁「特定卸供給事業にかかる届出義務について」(記載要領、届出様式、Q&A、特定卸供給事業に係るサイバーセキュリティ確保の指針):https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electricity_measures/009/009.html
※3 資源エネルギー庁「特定卸供給事業者一覧」(2026年9月1日更新):https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electricity_measures/009/list/aguri-list.html
※4 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(ERAB)に関連する政策動向」(2026年3月、ECHONETコンソーシアムシンポジウム):https://echonet.jp/wp/wp-content/uploads/pdf/General/Download/2026_symposium/Symposium2026_2_Kurumi.pdf
※5 経済産業省「『エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するガイドライン』を改定しました」(2025年11月19日):https://www.meti.go.jp/press/2025/11/20251119001/20251119001.html / 改定版本文:https://www.meti.go.jp/press/2025/11/20251119001/20251119001-1.pdf
※6 第14回次世代の分散型電力システムに関する検討会 資料4「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するガイドラインの改定について」(2025年11月19日):https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/pdf/014_04_00.pdf
※7 同 資料5「高頻度経済DR向けベースラインの検討」(野村総合研究所):https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/pdf/014_05_00.pdf
※8 同 資料6「需給調整市場における機器個別計測について」:https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/pdf/014_06_00.pdf
※9 電力需給調整力取引所(EPRX)「ΔkW上限価格について」(2026年7月30日):https://www.eprx.or.jp/j_information/ / 資源エネルギー庁 電力安定供給ワーキンググループ 資料8「需給調整市場について」(2026年5月13日):https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/jisedai_kiban/stable_power_supply_wg/pdf/001_08_00.pdf
※10 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)「令和7年度補正 業務産業用蓄電システム導入支援事業 公募要領」(2026年3月):https://sii.or.jp/DRchikudenchi_gyousan07r/uploads/gyousan07r_kouboyouryou.pdf
※11 資源エネルギー庁「分散型エネルギー推進戦略ワーキンググループでの議論について」再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会 第3回 資料1(2026年7月28日):https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saiene_shuryoku/pdf/003_01_00.pdf
※12 資源エネルギー庁「2026年度の再生可能エネルギーの出力制御見通し」:https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/smart_power_grid_wg/pdf/008_01_00.pdf
※13 e-Gov法令検索「電気事業法」第27条の30(特定卸供給事業の届出):https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170
2026年10月15日
この記事の著者

甲斐 博一
ユニファイド・サービス株式会社 CMO
グローバルIT企業における23年間のマーケティング経験に経営企画のスキルも加えB2B/B2Cともに経営とマーケティングを結び付けていくことをモットーとする。また、数多くのデジタルマーケティングおよびECの立ち上げや衰退ビジネスの立て直しも経験し、Webサイトを事業に貢献させてきた経歴を持つ。現在はユニファイド・サービスにて、B2B領域のビジネスにフォーカスし、CMOとしてマーケティングを推進すると同時に、新規事業計画と成長を支援する活動を並行して実践中。経営とマーケティング、事業企画、そしてリーダーシップを次世代に伝えていくための活動もライフワークとして行っている。