スマートメーターは、電気の使用量を測るだけでなく、その値を送るところまでを担う電力量計です。使用量を30分きざみで記録し、通信でそのまま届けます(※1)。検針員が月に一度訪れて数字を読み取っていた時代とは、測り方も伝え方も変わりました。
送られた値は、地域の送配電網を運営する一般送配電事業者を経由して、契約先の小売電気事業者に渡り、毎月の請求になります。時間帯や市場の価格によって単価が変わる料金プランでは、この30分ごとの値をもとに料金が計算されます。
全国への設置は2024年度末までにおおむね完了し、いまは次世代のスマートメーターへの置き換えが始まっています(※2)。通信機能を希望しない場合の制度も、2028年4月から導入される予定です(※1)。本記事の数値や制度は、2026年10月時点の公表資料によります。
スマートメーターは、家庭やオフィス、工場などで使われた電気の量を30分ごとに計測し、その値を通信で送ることができる電力量計です(※1)。
電気の使用量を測る計器であることは、従来のメーターと変わりません。電力量計は、使った電気の量(電力量、単位はkWh)を積み上げて記録していく計器です。電気料金のうち、使った量に応じて決まる部分は、この値をもとに計算されます(※3)。
スマートメーターは、この電力量計に通信機能を組み込み、測った値をメーター自身が自動で送り出せるようにしたものです(※1)。
スマートメーターは敷地内に取り付けられていますが、建物の設備として住む人や家主が所有しているものではありません。所有しているのは、地域ごとに送配電網を運営する一般送配電事業者です(※8)。電気を販売する小売電気事業者とは役割が異なり、沖縄を除く地域では会社も分かれています(※6)。電気を使う側(需要家)は、取り付ける場所を提供する立場にあたります。
そのため、メーターの取り付けや取り替えの費用は、原則として需要家に個別に請求されません(※5)。ただし、取り替えに伴う工事に費用がかかる場合や、建物の改築など需要家の都合で設置場所を移す場合は、この限りではありません。
スマートメーターは、使用量を30分ごとに区切って記録します。1日で48個、30日で1,440個の値になります。この値はメーターの中にとどまらず、通信で送り出され、料金の計算に使われます。
【図1】スマートメーターの計量値がたどる経路

記録された30分ごとの値は、通信を通じて一般送配電事業者のシステムに集められます。一般送配電事業者は、その値を、需要家が契約している小売電気事業者へ渡します(※1)。資源エネルギー庁の資料では、30分ごとの値を、それぞれ60分以内に小売電気事業者へ提供する仕組みとして整理されています(※10)。
小売電気事業者は、受け取った値をもとに料金を計算し、需要家に請求します。
小売電気事業者の側から見ると、この流れは毎月くり返す大量の処理でもあります。需要家が1万件あれば、受け取る30分ごとの値は1日だけで48万個になり、それらを契約内容に沿って集計し、料金を確定させます。
スマートメーターの標準的な仕様には、電気の入り切りを遠隔で操作する機能が含まれています(※11)。メーターの中に開閉器があり、現地に行かなくても電気を止めたり、再び流したりできます。
開閉器が開いているときは、液晶の表示が変わる機種もあります(※12)。
通電の状況も遠隔で確かめられるため、スマートメーターから応答があるかどうかが、停電している箇所の把握に使われています(※1、※14)。
毎月の検針は自動になり、通常は検針員がメーターを読みに来ることはありません(※1)。ただし、通信の状況などで使用量を取得できない場合には、訪問して検針することがあります。
一方で、検針日という区切りはいまも残っています。たとえばメーターを取り替えた月の使用量は、前回の検針日から当月の検針日までの合計として扱われます。
引っ越しに伴う電気の使用開始や停止も、遠隔で行えるようになり、立ち会いを求められる場面は減りました(※4)。ただ、設備の状況によっては、今も立ち会いや現地での作業が必要になることもあります。
夜間の単価を安くしたプランのように、時間帯によって単価が変わる料金プランは、スマートメーター以前からありました(※15)。変わったのは、30分ごとの値が使えることで、時間帯の区切り方をより細かく設計できるようになった点です。卸電力市場(日本卸電力取引所のスポット市場)では、1日を30分ずつ48のコマに分けて電気の価格が決まります(※16)。使用量も同じ30分単位で分かるため、市場の価格に合わせて単価が変わるプランも組み立てやすくなりました。料金プランの主な型は、新電力の解説記事にまとめています。
こうした料金プランを用意する小売電気事業者の側では、そのぶん請求の計算が複雑になります。昼と夜で単価が違うプランなら、1日48個の値を昼の分と夜の分に振り分け、それぞれの単価を掛けて合計します。30分ごとに単価が変わる市場連動型のプランなら、48個の値の一つひとつに別の単価を掛けます。つまり、月に1つの数字に1つの単価を掛けていた計算が、月に1,440個の値それぞれにプランごとの単価を当てはめる計算に変わったということです。扱うプランの種類が増えるほど、この計算の手間も増えていきます。こうした計算を契約ごとに正しく行う仕組みについては、当社が提供する Unisrv電力CISの資料で少し触れています。
小売電気事業者を切り替えるとき、メーターがすでにスマートメーターであれば、メーターの交換工事はいりません。資源エネルギー庁は、切り替えにかかる標準的な期間を、交換工事が必要な場合で2週間程度、不要な場合で4日程度と示しています(※5)。いまはほとんどの住まいにスマートメーターが付いているため、多くの場合は後者にあたります。ただし、これは手続きにかかる標準的な期間で、実際に切り替わる日は契約の内容や申し込みの時期によって決まります。電力広域的運営推進機関は、これまでの傾向として、申し込みから切り替え日まで1か月程度かかるとしています(※17)。
切り替えの手続きの流れは、新電力の解説記事で扱っています。
買った電気の量と、太陽光発電などで余って売った電気の量を、流れる向きを分けて、1台のメーターで測れるようになりました(※1)。これを双方向の計量といいます。以前は、売った電気を測るためのメーターを、もう1台取り付ける必要がありました。
液晶の「順動作」「逆動作」という表示は、この二つの向きを区別して示すものです。
液晶に表示される数字は、これまでに使った電気の量を積み上げた値(kWh)です。料金の計算には、前回の検針日の値との差が使われます(※3)。
機種によっては、画面が一定の間隔で切り替わります。一般送配電事業者の説明では、矢印のない画面と矢印のある画面が数秒ごとに交互に表示され、矢印のない画面は使用量を、矢印のある画面は太陽光発電などから送配電網へ流れた電力量を示す機種があります。契約アンペアの設定値が表示される機種もあります(※12)。
表示の仕様は機種や一般送配電事業者によって異なるため、見方が分からないときは、契約先の小売電気事業者か、地域の一般送配電事業者の案内で確かめるのが確実です。
機種によっては、液晶に「順動作」「逆動作」「無計量」の文字が並び、その横の●で、いま電気がどう流れているかを示します(※4、※13)。見るのは、●がどの位置にあるかと、点灯しているか点滅しているかの組み合わせです。表1にまとめます。表示は機種によって異なる場合があります。
表1 液晶の●の状態と意味
●の状態 | 意味 |
|---|---|
順動作の●が点滅 | 電気を買っている(送配電網から電気が流れ込んでいる)状態 |
逆動作の●が点滅 | 太陽光発電などの電気が送配電網へ流れている状態(逆潮流) |
順動作と逆動作の●がともに点灯 | 無計量。買う電気も送り出す電気も生じていない状態 |
順動作と逆動作の●がともに点滅 | メーターに内蔵された開閉器が開いている可能性がある状態 |
出典:日本電気計器検定所「くらしと検定 No.19」(※4)、大崎電気工業のスマートメーター仕様・取扱説明書(※12、※13)をもとに作成。表示は機種によって異なる場合がある
無計量は、買う電気も送り出す電気も計量されていない状態です。太陽光発電などがある家では、発電した電気を家の中で使っていて送配電網との出入りがないときもこの表示になるため、電気を使っていないとは限りません(※12)。
逆動作の表示が示すのは、電気が送配電網へ流れていることです。売電の契約が結ばれていることや、売電の対価が発生していることまでは、この表示からは分かりません。
順動作と逆動作の●がともに点滅しているときは、メーターに内蔵された開閉器が開いている可能性があります(※12、※13)。●がともに点灯している無計量の状態とは、別のものです。
起こりうる理由の一つが、契約している容量を超えて電気を使ったような状態です。
しばらくたっても表示が変わらず、電気も戻らないときは、家の中の分電盤で漏電ブレーカーなどが落ちていないかを確かめ、それでも戻らなければ、契約先の小売電気事業者か地域の一般送配電事業者に連絡します(※9)。
スマートメーターの一部の機種には、従来は分電盤にあった契約用安全ブレーカー(アンペアブレーカー)の役割を果たす機能が組み込まれています。契約している容量を超えて電気を使うと、この機能が働いて、家じゅうの電気が一時的に止まります(※8、※9)。
その後は、一定の時間がたつと自動で電気が戻るため、分電盤のブレーカーを操作する必要はありません。ただし、短い時間のうちに止まる・戻るを何度もくり返すと自動では戻らなくなり、その場合は契約先の小売電気事業者か一般送配電事業者への連絡が必要です(※7、※8)。同じことが何度も起きる場合は、電気の使い方や契約容量の見直しも検討する必要があります(※9)。
戻るまでの時間や、自動で戻らなくなる条件は、一般送配電事業者によって異なります。機能の呼び方も「契約用安全ブレーカー」「サービスブレーカー」など、一般送配電事業者によってさまざまです。この機能を使う対象を、契約容量が一定以下の場合に限っているところもあります(※7)。
スマートメーターは2014年から本格的に導入が始まり、2024年度末までに全国で設置がおおむね完了しました(※1、※2)。各社の公表は、取り替え作業が困難な場所などを除く、という条件付きです(※19)。
いまの取り替えは、すでに付いているスマートメーターが期限を迎えたことによるものが中心です(※2)。
電気料金の取引に使う電力量計は、計量法により、検定に合格したもの、または指定製造事業者の検査に合格して基準適合証印が付いたものでなければ使えません(※3、※20)。どちらにも有効期間があり、家庭などに単独で付けて使う電子式の計器の場合は10年です(※21)。
期限が来る前に、一般送配電事業者が新しいメーターに取り替えます。費用の扱いは設置のときと同じで、原則として需要家が負担することはありません(※5)。
工場やビルなど、高圧・特別高圧で電気を受けている場所では、大きな電流や高い電圧をそのまま測れないため、変流器や計器用変圧器といった変成器と組み合わせた計器が使われます。この変成器付計器の有効期間は、電子式で7年、機械式で5年(条件によっては7年)と、家庭用の単独計器より短く定められています(※21)。表2に整理します。
表2 電力量計の検定有効期間
計器の種類 | 主な設置先 | 検定有効期間 |
|---|---|---|
単独計器(電子式) | 家庭、店舗など低圧の需要家 | 10年 |
変成器付計器(電子式) | 工場、ビルなど高圧・特別高圧の需要家 | 7年 |
変成器付計器(機械式) | 同上 | 5年(条件によっては7年) |
出典:日本電気計器検定所「電気計器等の検定・検査」(※21)、経済産業省「計量器の検定・検査制度の概要」(※20)
取り替えの前には、工事の日程を知らせるチラシの配布などで案内があります。作業はメーターの取り付け場所で行い、室内には入らないため、立ち会いは原則として必要ありません。不在のあいだに取り替えが済んでいることもあります。
取り替えの際には、一時的に電気が止まる場合があります。資源エネルギー庁は、その目安を1軒あたり約15分としています(※5)。停電せずに取り替えられる場合もあり、停電を伴うかどうかは設置の状況によって異なります。
メーターが敷地の奥や施錠された場所にあるなど、作業員が立ち入れない場合には、立ち会いが必要になることがあります。
電波やプライバシーへの懸念など、さまざまな理由から、スマートメーターの通信機能を使わないことを望む人もいます(※1)。制度の要点を表3にまとめ、以下で順に説明します。
表3 オプトアウト制度の要点(2026年10月時点)
項目 | 内容 |
|---|---|
開始 | 2028年4月1日(予定) |
対象 | 希望するすべての需要家。1年未満の契約(臨時接続送電サービス)は対象外 |
手続き | 需要家が一般送配電事業者に申し出 → 小売電気事業者が可否を確認 → 事務手数料を負担 → 通信機器を取り外し |
事務手数料 | 計量器1台あたり44,000円(税込)。一括払い、全一般送配電事業者で一律。検定満了の取り替え時に継続する場合は再負担 |
支払わない場合 | 新規の申し出は取り外しが行われない。制度開始前からの取り外し者と継続希望者は、通信機器付きへ原状回復。応じない場合は十分な予告のうえ供給停止 |
取り外しても変わらないこと | 電気料金は安くならない。アナログ式には戻せない。毎月の検針員による検針になる |
出典:資源エネルギー庁「スマートメーターのオプトアウト制度に関するQ&A」(※1)
オプトアウト制度は、需要家の申し出を受けて、一般送配電事業者がスマートメーターの通信機器を取り外す制度です。2025年2月28日の第86回電力・ガス基本政策小委員会での議論を踏まえ、2028年4月1日から導入される予定です(※1、※2)。
対象は、原則として希望するすべての需要家です。ただし、1年未満の電気の使用に伴う契約(臨時接続送電サービス)は対象外です(※1)。
すでに通信機能の取り外しなどの対応を受けている需要家も、制度開始時点(2028年4月1日時点)でその状態にあれば、取り外した時期にかかわらず事務手数料の負担対象になります。2028年4月1日までに通信機器付きのスマートメーターへ戻した場合は、負担する必要はありません(※1)。
【図2】通信機器の取り外しの申し出から取り外しまでの流れ

まず、需要家が一般送配電事業者に申し出ます。一般送配電事業者は、需要家が契約している小売電気事業者に、受け付けてよいかを確認します。小売電気事業者が認めた場合にだけ申し出が受理され、需要家が事務手数料を負担したうえで、一般送配電事業者が通信機器を取り外します(※1)。
申し出ても、取り外しが受理されない場合があります。小売電気事業者は、その需要家の料金メニューや供給条件を踏まえて制度を適用できるかを確かめ、必要に応じて需要家と協議します(※1)。
申し込みの方法など具体的な手続きは、決まりしだい、各一般送配電事業者のWebサイトなどで公表される予定です(※1、2026年10月時点)。
通信機器の取り外しには、事務手数料として計量器1台あたり44,000円(税込)がかかります。支払いは一括で、金額はすべての一般送配電事業者で同じです。一つの住所で複数の契約があり計量器が複数ある場合は、その台数分がかかります。制度を使う需要家が大きく増えるなど、相当の環境変化があった場合には、水準が見直されることがあるとされています(※1)。
金額は、賃貸住宅に住む単身世帯の平均入居期間が3年程度であることと、一般送配電事業者ごとの3年分の対応コストが44,000円から84,000円程度と試算されたことを踏まえ、最低限必要なコストとして一律に設定されました。実費をもとに請求するものではないため、3年未満でやめた場合でも差額の精算は行われません(※1)。
計量器の検定有効期間が満了して取り替えるときに、引き続き取り外しを希望する場合は、取り替えの工事の前に、改めて同じ事務手数料の負担が必要です(※1)。
新たに取り外しを希望する場合、事務手数料を支払わなければ取り外しは行われず、通信機器付きのスマートメーターをそのまま使い続けることになります(※1)。
制度開始前から取り外しの状態にある需要家や、検定有効期間の満了に伴う取り替えで取り外しの継続を希望する需要家が支払わない場合は、最終的に通信機器付きのスマートメーターに戻す対応が取られます。支払いにもその対応にも応じない場合は、一般送配電事業者から案内があり、それでも応じないときは、十分な予告などを行ったうえで電気の供給が停止されることになっています(※1)。
スマートメーターが通信に使う電力は、メーター自身には計量されません。そのため、通信機器を取り外しても電気料金は安くなりません(※1)。
従来のアナログ式メーター(誘導型など)に戻すこともできません。主要な計量器メーカーで旧型の新規生産が行われていないことなどが、理由として示されています(※1)。
計量そのものは続くため、取り外した後は、検針員が毎月メーターの前まで来て数字を読み取る検針に戻ります。資源エネルギー庁のQ&Aでは、一般送配電事業者には取り外しの工事に加えて、検針員による毎月の検針や料金請求などの対応が必要になり、追加の費用が生じるとされています。事務手数料の44,000円は、この工事・検針・料金請求にかかる対応コストを勘案して設定されたものです(※1)。30分ごとの値が自動で届かなくなるため、小売電気事業者が料金メニューや供給条件を踏まえて申し出の可否を確かめるのも、このためです。
また、個別の機器を活用したデマンドレスポンスのように、スマートメーターの通信機能を前提としたサービスが受けられなくなる場合があります(※1)。デマンドレスポンスの仕組みは、デマンドレスポンスの解説記事で扱っています。
いま設置されている第1世代のスマートメーターの後継にあたるのが、第2世代スマートメーター(次世代スマートメーター)です(※18)。
資源エネルギー庁は、第2世代スマートメーターの導入を2025年度から順次行い、2030年代早期までに原則すべての需要家へ導入することを目指すとしています(※1)。一般送配電事業者のなかには、2026年1月から第2世代の設置を始めたところもあります(※18、2026年10月時点)。
置き換えは、第1世代の検定有効期間(家庭用の計器では10年)が満了するのに合わせて、順に進みます(※18)。設置された時期によって順番が決まるため、全国で一斉に替わるわけではありません。対象になる前に、希望して早めに替えてもらうことはできないとしている事業者もあります(※18)。
国の次世代スマートメーター制度検討会の取りまとめによると、宅内に関係する変更としては、まず、Bルート(宅内の機器へ直接データを送る経路)向けに、1分ごとの使用量を計量器に60分間保存できるようになります(※22)。通信がとぎれても、あとから取り直せるようにするためのものです。また、宅内の機器との通信方式として、これまでのWi-SUN(920MHz帯の無線)に加えて、Wi-Fi(2.4GHz帯)も選べるようになります(※22)。
5分ごとの値を計量して保存する機能は、すべての次世代スマートメーターの仕様に含まれています(※22)。配電網の運用に使うためのもので、このうち一般送配電事業者のシステムへ送る仕組みについては、取りまとめで、需要家の10%程度以上からは過去の値を数日以内に、3%程度以上からはリアルタイムの値を10分以内に送れる水準が求められています(※22)。すべての家庭の5分ごとの値が、常に送られるわけではありません。
また、将来電力市場の取引の単位が30分から15分に切り替わる可能性に備えて、30分ごとの値に加えて15分ごとの値も計量できるようにしておく方針が示されています(※22)。表4に第1世代との違いをまとめます。
表4 第1世代と第2世代スマートメーターの主な違い(宅内に関係する範囲)
項目 | 第1世代 | 第2世代 |
|---|---|---|
計量の単位 | 30分値 | 30分値に加え15分値も計量できる仕様。5分値の計量・保存も可能 |
Bルートのデータ保存 | 保存なし | 1分値を計量器に60分間保存 |
宅内機器との通信方式 | Wi-SUN(920MHz帯) | Wi-SUNに加えWi-Fi(2.4GHz帯) |
導入時期 | 2014年から本格導入、2024年度末に設置完了 | 2025年度から順次、2030年代早期までに原則すべての需要家へ |
出典:次世代スマートメーター制度検討会「取りまとめ」ほか(※22)、資源エネルギー庁「スマートメーターのオプトアウト制度に関するQ&A」(※1)
スマートメーターから一般送配電事業者へ計量値を送る経路を、Aルートと呼びます(※10)。通信の方式にはいくつかあり、隣り合うスマートメーター同士が順に中継して集約装置まで届ける無線の方式と、携帯電話の回線を使う方式を、場所に応じて組み合わせている一般送配電事業者があります。
スマートメーターから宅内の機器へ直接データを送る経路を、Bルートと呼びます。HEMS(Home Energy Management System/家庭のエネルギーの使い方を見える化し、管理する機器)を設置すると、30分ごとの使用量に加えて、いま流れている電流の値などを確認できます(※23)。
利用するには、一般送配電事業者への申し込みが必要です。データを送るサービス自体は無料ですが、HEMS機器は需要家が費用を負担して用意します。機器は、スマートメーターとの相互接続認証(SMA認証)を受けたものであることが条件です(※23)。
電波の状況によっては、使えなかったり、データが遅れたり欠けたりすることがあります。また、通信方式の変更を希望する場合などには、費用がかかることもあります(※23)。
一般送配電事業者から渡された値は、小売電気事業者の中で、値の確認、契約内容や料金メニューとの突き合わせ、料金の計算、請求書の作成という工程を進みます。これらは一続きの業務で、どこかで作業が止まれば、その先も止まってしまいます。料金メニューを改定すれば、計算の設定も合わせて見直す必要があります。計量値を管理するシステムについては、MDMSの解説記事で扱っています。これら一連の作業から生まれる電気料金の計算は、当社が提供するUnisrv 電力CISの仕事です。詳細は、無料相談にてお尋ねください。
また、電気料金がどのような費用で構成されているかは、電気料金の仕組み・内訳の解説記事で扱っています。
A. 総務省は、人体に影響を及ぼさない電波の強さの指針値などを「電波防護指針」として定めています。その指針値の一部は、電波法令による規制として取り入れられています(※24)。資源エネルギー庁は、各一般送配電事業者のスマートメーターの通信機器がこの指針に準拠していることから、発する電波による健康への明らかな重大な影響はないと考えられる、としています。WHO(世界保健機関)も、国際的なガイドラインを下回る強さの電波によって健康に悪影響が生じる証拠はない、という見解を示しています(※1)。2028年4月から始まるオプトアウト制度は、健康上の理由に限らず、さまざまな理由で希望する需要家がいることや諸外国の例を踏まえ、理由を問わずに利用できる制度として設けられたと説明されています(※1)。
A. 30分ごとの値を扱うのは、取得する一般送配電事業者と、その値を受け取る契約先の小売電気事業者です。需要家自身も、契約先によっては会員向けWebサイトで確認できるほか、Bルートを使ったHEMSなどでも確認できます。30分ごとの値など、電気の使用者に関する情報は、法令で認められた場合を除いて、需要家の同意なく他者に提供されることはありません。一般送配電事業者が取得した30分ごとの値は、料金の精算などの託送業務(小売電気事業者の電気を、送配電網を通じて需要家へ届ける業務)にだけ使うことが認められています(※1)。
A. 電線や電柱など、送配電の設備が原因の停電では、復旧の作業は一般送配電事業者が受け持ちます。家の中の配線や機器が原因の場合は、対応の範囲が異なります。家の電気が消えた原因が、送配電の停電ではなく、メーター内の開閉器が開いたことにある場合もあります。その場合、機種によっては、メーターの順動作・逆動作の●がともに点滅します(※12)。詳しくは「両方が点滅しているとき」「電気が切れたときの復帰」の節で解説しています。
ユニファイド・サービスの「Unisrv 電力CIS」は、電力小売事業者の契約・料金メニュー・需要データを一元管理し、30分値を基に需要家の料金計算と精算を行う顧客情報管理クラウドシステムです。一般送配電事業者から届く30分値の取り込み、時間帯別や市場連動など多様な料金メニューの実装・検証・改定、請求までの一続きの業務を支えます。
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※1 資源エネルギー庁「スマートメーターのオプトアウト制度に関するQ&A」(2025年8月8日更新):https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/regulations/smartmeter/index.html
※2 資源エネルギー庁「スマートメーターのオプトアウトについて」(第86回電力・ガス基本政策小委員会 資料5、2025年2月28日):https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/086_05_00.pdf
※3 資源エネルギー庁「電気の計量制度に関するQ&A」(第19回電力・ガス基本政策小委員会 資料6-2):https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/019_06_02.pdf
※4 日本電気計器検定所「くらしと検定 No.19」:https://www.jemic.go.jp/wp-content/themes/jemic/kihon/kk19.pdf
※5 資源エネルギー庁「電力会社を切り替えるには?」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/electricity_liberalization/step/
※6 資源エネルギー庁「2020年、送配電部門の分社化で電気がさらに変わる」:https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/denryokugaskaikaku/souhaidenbunshaka.html
※7 中部電力パワーグリッド「スマートメーターとは」:https://powergrid.chuden.co.jp/goannai/ippan/smartmeter/info/
※8 ほくでんネットワーク「スマートメーターについて」:https://www.hepco.co.jp/network/electric_life/smart_meter/index.html
※9 北海道電力ネットワーク「スマートメーターの「契約用安全ブレーカー」機能について」:https://www.hepco.co.jp/network/con_service/application/pdf/smartmeter_safebreaker.pdf
※10 資源エネルギー庁「次世代スマートメーターの仕様の検討状況について」(電力・ガス取引監視等委員会 料金制度専門会合 資料6-2、2021年2月1日):https://www.egc.meti.go.jp/activity/emsc_electricity/pdf/0006_06_02.pdf
※11 資源エネルギー庁「次世代スマートメーターの標準機能の検討等について」(第5回次世代スマートメーター制度検討会 資料3):https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_smart_meter/pdf/005_03_00.pdf
※12 大崎電気工業「スマートメータリングシステム SMS 通信端末(LTE-M)取扱説明書」:https://www.osaki.co.jp/ja/product/dl_manual/cat07/main/00/teaserItems1/0/tableContents/04/multiFileUpload4_1/link/AYK23027_LTE-M_240307-1.pdf
※13 大崎電気工業「スマートメーター」製品仕様:https://www.osaki.co.jp/ja/product/product/category02/02-1_1.html
※14 経済産業省 スマートメーター仕様検討ワーキンググループ(第2回)議事録:https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_smart_meter/shiyo_kento_wg/pdf/002_gijiroku.pdf
※15 東京電力「負荷平準化のための料金メニュー(選択約款)の届け出について」(1995年12月1日):https://www.tepco.co.jp/cc/press/95120101-j.html / 同 2006年2月22日プレスリリース(時間帯別電灯「電化上手」):https://www.tepco.co.jp/cc/press/06022201-j.html
※16 電力・ガス取引監視等委員会「卸電力取引市場(スポット市場)における需給曲線を公開します」(2021年1月22日):https://www.egc.meti.go.jp/info/public/pdf/20210122001a.pdf
※17 電力広域的運営推進機関「スイッチング支援システムの利用状況について」(2026年7月10日):https://www.occto.or.jp/assets/news/swsys_riyou/20260710swsys_riyoujyoukyou.pdf
※18 中部電力パワーグリッド「第2世代スマートメーターの設置開始について」:https://powergrid.chuden.co.jp/news/topics/1217055_3288.html / 関西電力送配電「第2世代スマートメーターの設置開始について」(2026年1月5日):https://www.kansai-td.co.jp/technology/pdf/oshirase_smartmeter_20260105.pdf
※19 九州電力送配電「スマートメーターの設置完了について」:https://www.kyuden.co.jp/td/news/notice/240507.html / 東北電力ネットワーク「スマートメーターの設置状況について」:https://nw.tohoku-epco.co.jp/information/1241989_2390.html / 沖縄電力「スマートメーターの設置完了について」(2025年4月3日):https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/whats_new/2025/250403.pdf
※20 経済産業省「計量器の検定・検査制度の概要」:https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/12_gaiyou_keiryouki1.html
※21 日本電気計器検定所「電気計器等の検定・検査」:https://www.jemic.go.jp/kentei/dk_kentei.html
※22 次世代スマートメーター制度検討会「取りまとめ」(2022年5月):https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_smart_meter/pdf/20220531_1.pdf / 同「次世代スマートメーターの標準機能について(中間取りまとめ)」(2021年2月):https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_smart_meter/pdf/20210218_1.pdf
※23 ほくでんネットワーク「電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)[低圧用]」:https://www.hepco.co.jp/network/electric_life/service/electronic_meter/b_route_service_low.html
※24 総務省 電波利用ホームページ「電波防護指針」:https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/medical/protect/ / 総務省「無線設備規則等の一部を改正する省令案等に係る意見募集」(2024年9月25日):https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban16_02000348.html
2026年10月21日
この記事の監修者

甲斐 博一
ユニファイド・サービス株式会社 CMO
グローバルIT企業における23年間のマーケティング経験に経営企画のスキルも加えB2B/B2Cともに経営とマーケティングを結び付けていくことをモットーとする。また、数多くのデジタルマーケティングおよびECの立ち上げや衰退ビジネスの立て直しも経験し、Webサイトを事業に貢献させてきた経歴を持つ。現在はユニファイド・サービスにて、B2B領域のビジネスにフォーカスし、CMOとしてマーケティングを推進すると同時に、新規事業計画と成長を支援する活動を並行して実践中。経営とマーケティング、事業企画、そしてリーダーシップを次世代に伝えていくための活動もライフワークとして行っている。