CRM、SFA、MAは混同されやすい用語ですが、それぞれ管理する対象と目的が異なります。まず言葉の定義を整理し、その後で具体例を見ていきたいと思います。
CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)
・ 軸:顧客との関係性
・ 目的:顧客情報を一元管理し、良好な関係を維持・向上させる(顧客視点)
・ 具体例:「この顧客は過去にどんな問い合わせをしたか」「担当者の異動履歴」「契約更新のタイミング」などを管理
SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)
・ 軸:商談・案件
・ 目的:営業プロセスを効率化し、受注率や売上を最大化する(営業視点)
・ 具体例:「今月クロージング予定の案件一覧」「営業担当者ごとの訪問件数」「商談の進捗ステージ管理」「受注、売上予測」
MA(Marketing Automation:マーケティング自動化)
・ 軸:見込み客(リード)
・ 目的:見込み客の獲得・育成を自動化し、商談につなげる(マーケティング視点)
・ 具体例:「メールの開封率・クリック率の計測」「Webサイト訪問者のスコアリング」「セミナー参加者への自動フォローメール」「リード育成シナリオの構築と実践」
【図表:CRM・SFA・MAの役割比較】
区分 | CRM | SFA | MA |
|---|---|---|---|
主な利用者 | 全社(営業・CS・経営) | 営業部門 | マーケ部門 |
管理対象 | 顧客情報、対応履歴 | 商談、活動履歴 | リード、Web行動 |
Salesforce製品 | Sales Cloud / Service Cloud | Sales Cloud | Marketing Cloud |
目的 | LTV向上、顧客満足 | 営業効率化、売上拡大 | リード獲得・育成 |
※実際にはCRMとSFAは重複する機能も多く、Sales Cloudは「CRM機能を持ったSFA」と理解するとよい
Salesforceの強みは、これらがバラバラのツールではなく、ひとつのプラットフォーム上で統合されている点にあります。MAで獲得したリードがSFAで商談化され、受注後はCRMとしてサポート履歴が蓄積される。このデータの連続性が、Salesforceが選ばれる理由の大きな部分です。
世界で15万社以上に導入され(※4)、CRM市場において12年連続でシェアNo.1(※3)を獲得しているSalesforce。国内でもHubSpot、Zoho CRM、kintoneなど多くの選択肢がある中で、なぜこれほど支持されるのでしょうか。
1. クラウドネイティブであること
サーバー構築などの初期投資が不要で、インターネット環境があればどこでも利用できます。また、年3回(春・夏・冬)の定期アップデートにより、常に最新機能が自動で提供されます。オンプレミス型の製品では数年に一度の大規模バージョンアップが必要ですが、Salesforceではその手間がありません。
2. 圧倒的な拡張性(AppExchange)
「AppExchange」というアプリストアのような仕組みがあり、5,000種類以上の連携アプリが公開されています。名刺管理(Sansan)、帳票作成、電子契約(DocuSign)、会計システム連携など、自社に必要な機能を後から自由に追加できます。
3. 堅牢なセキュリティと信頼性
金融機関や政府機関も採用するほど、高度なセキュリティ基準を満たしています。SOC2 Type II、ISO27001などの第三者認証を取得しており、データセンターの冗長化により99.9%以上の稼働率を維持しています。
4. 豊富なエコシステム
導入支援パートナー、開発者コミュニティ、オンライン学習プラットフォーム(Trailhead)など、製品を取り巻くエコシステムが充実しています。困ったときに相談できる先が多いというのは、長期運用において大きな安心材料となります。
ここまではメリットを中心に解説してきましたが、目を背けてはいけない現実もあります。それは、「Salesforceを導入したものの、現場に定着せず失敗するケースが少なくない」という点です。
先述のTSUIDE社の調査では約27%が「活用出来ていない」と回答(※1)。また、別の調査ではCRMに「満足している」と回答したのは全体のわずか31%にとどまるというデータもあります(※2)。ここまで説明してきた「良いことばかり」に見えるSalesforceですが、それでも現場では使われなくなってしまうのでしょうか。
「Einstein(アインシュタイン)」は、Salesforceに組み込まれたAI機能のブランド名です。特別な開発をしなくても、設定を有効にするだけで利用できる機能が多くあります。
【Einsteinの主な機能】
・ 予測AI(Einstein Prediction):過去のデータから「この商談の受注確率は80%」といったスコアを自動算出。優先度の高い案件にリソースを集中させる判断材料になる。
・ リードスコアリング:見込み客の中から「商談化しやすい顧客」を自動で順位付け。マーケティングから営業へのリード引き渡しの精度が向上する。
・ 生成AI(Einstein Copilot):商談の要約を自動作成、顧客への返信メールの下書き生成、会議メモの作成など。対話形式で指示を出せるアシスタント機能。
Salesforceによると、Einsteinは週に1兆件以上の予測を実行しており(※5)、世界中のビジネスの意思決定を支えています。
「Salesforceを導入したが、使いこなせていない気がする」
「これから導入したいが、現場に定着させられるか不安だ」
「AI機能を活用したいが、何から手をつければいいかわからない」
そのような課題をお持ちの企業様は、ぜひユニファイド・サービスにご相談ください。
「Unisrv AI Powered CRM®」は、単なるライセンス販売やシステム設定にとどまりません。お客様の業務課題に合わせた定着支援から、EinsteinやAgentforceといった最新AI機能の実装までを一気通貫でサポートします。エンジニアの多くがSalesforceの技術者である当社ならではの蓄積された方法と実績を持つ専門チームが、「導入して終わり」ではなく「成果が出るまで」伴走いたします。
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引用元一覧
※1 株式会社TSUIDE「SFA、CRM導入実態に関する調査」(2022年2月、n=14,035)
※2 マイクロソフト自社調べ Webアンケート(楽天リサーチ実施、2017年7月、n=800)
※3 IDC「Worldwide Semiannual Software Tracker」(2025年4月)- 12年連続CRM市場シェアNo.1、2024年シェア20.7%
※4 Salesforce公式情報(各種パートナーサイト等で引用)- 世界15万社以上が導入
※5 Salesforce / IDC「Salesforce Economy」調査(2023年)- Einstein週1兆件以上の予測実行
2025年12月24日
この記事の監修者

甲斐 博一
ユニファイド・サービス株式会社 CMO
グローバルIT企業における23年間のマーケティング経験に経営企画のスキルも加えB2B/B2Cともに経営とマーケティングを結び付けていくことをモットーとする。また、数多くのデジタルマーケティングおよびECの立ち上げや衰退ビジネスの立て直しも経験し、Webサイトを事業に貢献させてきた経歴を持つ。現在はユニファイド・サービスにて、B2B領域のビジネスにフォーカスし、CMOとしてマーケティングを推進すると同時に、新規事業計画と成長を支援する活動を並行して実践中。経営とマーケティング、事業企画、そしてリーダーシップを次世代に伝えていくための活動もライフワークとして行っている。