LTVとは?マーケティングで重要な理由、計算式を解説

  • 1
  • LTV(顧客生涯価値)とは

  • 2
  • マーケティングでLTVが重要視されている理由

市場の成熟がビジネスに与える影響(長期取引の重要性)

サブスクリプションモデルの一般化

真のビジネス効率の可視化

One to Oneマーケティングや3rd Party Cookie規制などのテクノロジーの変化

  • 3
  • LTVの計算方法

BtoBビジネスの場合

BtoBのLTVは、顧客企業との長期的な取引関係から得られる総利益です。一般的な計算式は、以下のとおりです。


​​計算式:「初期導入売上 × 粗利率 + 顧客の年間平均売上 × 粗利率 × 顧客との平均取引期間」​


まず、売り切り型のハードウェアを中心とするビジネスか、ソフトウェアやライセンスなどを中心とするサービスビジネスかによって計算の仕方は少し異なりますが、取引期間を変数に設定する点は同じです。


この点は個人向けビジネスと同じですが、契約単価が大きく、かつ関係性も長期に及ぶ傾向がBtoBには強くあるため、個別の顧客データや業種特性、組織情報などを詳細に分析しながら、顧客を組織として理解し、顧客の経営に影響を与えるKPIを探し出し、そこに影響を与えるような関係構築と製品・サービス展開を行うことが重要です。


また、顧客の経営に影響を与えるKPIは大きく、売上成長を加速させるドライバーか、もしくは販管費を削減していくドライバーかのどちらかにわかれます。

EC/小売業の場合

EC/小売業のLTVは、個々の顧客が店舗やオンラインストアで繰り返し購入する総額を示します。一般的な計算式は以下のとおりです。


​​計算式:「顧客の平均購入単価 × 粗利率 × 平均購入頻度 × 平均継続期間」


なお、LTVを利益ベースと売上ベースのどちらで計算するかは、企業の戦略と経営指標の設定次第です。本来は、売上から費用を差し引いた粗利益で計算する方が、間違った意思決定へと導くリスクを減らせるため、上記計算式は粗利率を変数においていますが、いくつかの理由から売上で計算する企業も実際は存在します。


しかしながら、結局売上ではなく利益が経営へと貢献しますので、売上を指標にした場合、真の優良顧客かそうでないかはわかりづらくなるため、何らかの形で利益を指標にするように修正していくことが重要です。


また、顧客セグメントごとにLTVを算出することで、優良顧客の傾向把握や育成戦略の策定にもつながります。

SaaS/サブスクリプションビジネスの場合

SaaS/サブスクリプションビジネスにおけるLTVは、一般的に顧客がサービスを継続利用する期間中に発生する総利益を指します。一般的な計算式は以下のとおりです。


​​計算式:「(顧客の平均月額利用料 × 粗利率) ÷ 月次チャーンレート」​


月次または年次のチャーンレート(解約率)がLTVに大きく影響するため、解約率の改善が重要です。他のビジネスモデルに比べて、比較的LTVを基準にした意志決定に慣れているのがストック売上を中心としているSaaSですが、さらにコンサルティングやクロスセルによる機能アップなどによってLTVを高める工夫が多く実装されている点は、他のビジネスモデルを採用する企業にも参考になることが多いと思います。

  • 4
  • LTVと合わせて理解しておきたい指標

CAC(顧客獲得コスト)

CAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得コスト)は、新規顧客を獲得するために必要な広告費・営業活動費・人件費などの総コストです。


CACが高すぎると、LTVとのバランスが崩れ利益が出にくくなるため常に把握しておくことが必要です。LTVとCACの比率(LTV/CACが3以上など)を指標にすると、広告宣伝費を含めたリソースの投資効率を判断しやすくなります。


​​計算式:「顧客獲得にかかった総コスト ÷ 獲得した新規顧客数」​

チャーンレート(解約率)

チャーンレート(解約率)とは、顧客が一定期間内に離脱・取引終了する割合です。顧客満足度が低くチャーンレートが高いと、長期的な収益確保が難しくなり、LTVも低下します。顧客体験の改善やアフターサポートの強化が、解約を抑制する鍵となります。


​​計算式:「期間内に解約した顧客数 ÷ 期間開始時点の総顧客数」​

ユニットエコノミクス

ユニットエコノミクスは、1顧客(または1取引)あたりの収益性を測る概念です。LTVとCACを比較することで、顧客獲得施策が利益につながるかどうかを判断できます。


長期的な利益構造を評価する上で、投資判断の重要な材料にもなります。投資家による判断では、この値が3以上であれば健全と評価されやすい傾向があります。


​​計算式:「LTV ÷ CAC」​

ARPA(顧客あたりの平均売上)

ARPA(Average Revenue Per Account:顧客あたりの平均収益)は、顧客1社または1人あたりの平均売上を示す指標です。この指標では、売上に焦点を当てており、その取引の規模を顧客単位で比較するために用います。ARPAと企業規模を比較したり、BtoCの場合は、可処分所得と比較したりすることで、アップセルやクロスセルの機会を探ることができます。また、顧客セグメントごとに算出することで、重点的に投資すべき分野を特定しやすくなります。


一方で、ARPAは売上のみに焦点をあてていることから、利益を見ておらず、顧客ごとの利益性を見ていない点には注意が必要です。売上規模が大きくても費用が多くかかり利益性の低いお客様に注力しすぎてしまうなどの意思決定ミスがおきないよう、あわせて利益や費用も見ておくことも経営にとっては重要です。


​​計算式:「総収益 ÷ 顧客数」

フロー売上とストック売上の比率

フロー売上は単発的な取引による売上、ストック売上は継続的に積み上がる売上です。フロー売上には、導入費用や導入支援費用、初期設定費用などが、ストック売上にはサブスクリプション料金、保守・運用費用などが挙げられます。


ストック型収益の割合が高いほど、LTVは安定的に向上しやすくなります。両者のバランスを見極め、持続的な収益モデルを構築することがポイントです。また、あわせてフロー売上の利益率やストック売上の利益率を把握しておくことで、適切なバランスを経営として運用することが可能になり、かつ価格設定にも影響を与えることができます。


全体売上に対するフロー売上比率とストック売上比率を計算すれば、自社が新規取引または継続収益のどちらに依存しているかを把握でき、短期的視点と中長期的視点の両方でビジネスを見ながらLTVを高める改善策の方向性を見極められます。


​​計算式:「フロー売上 ÷ 全体売上」「ストック売上 ÷ 全体売上」

  • 5
  • LTVを最大化するための6つの方法

顧客単価(平均購入単価)を向上させる

購入頻度を高める

契約期間を延ばす

顧客獲得コスト(CAC)を最適化する

顧客維持コストを低減する

顧客満足度を管理し、向上させる

  • 6
  • LTV向上に役立つツール

CRM(顧客関係管理)

CRM(顧客関係管理)は、顧客とのあらゆる接点における情報を一元的に管理するツールです。顧客の取引履歴、購入商品、問い合わせ内容、属性情報、組織情報などを詳細に把握することで、顧客理解を深められます。


顧客のニーズや興味関心に合わせた柔軟なコミュニケーションを実現しやすくなり、顧客満足度の向上に寄与します。


関連リンク:CRMとは?MA・SFAとの違い、機能やメリットも解説

SFA(営業支援システム)

MA(マーケティングオートメーション)

見込み客の行動データを収集・分析し、スコアリングや分類などで行動や反応を定量化して、メールを効果的な内容とタイミングで自動で配信することで、マーケティング活動の生産性を高めることが、MA(マーケティングオートメーション)ツールの主な役割です。 

 

顧客の関心度に応じたアプローチを自動的に展開できるなど、効率的なリード育成機能が搭載されています。 

 

デジタルコンテンツとメール配信を上手に組み合わせることで、見込み客との接点頻度を上げ、企業、製品・サービスを深く理解した見込み客育成(ナーチャリング)に関する活動を支援する点が特徴です。スコアリングによる見込み客と企業との関係性も可視化でき、次のアクションとそのタイミングを考慮しながら、優先順位付けにも貢献します。 

 

MAによる新規開拓活動の前半部分の展開や、優良顧客となる候補の判別を自動化、効率化できれば、より優先度の高い顧客へと集中した営業活動を展開できたり、既存顧客へと時間がまわせるようになり、LTV増加へと貢献することができます。 

 

関連リンク:マーケティングオートメーションとは?ツールの導入効果と成功ポイント

  • 7
  • AI搭載のCRMを実装できる「AI Powered CRMソリューション」

ユニファイド・サービスの「AI Powered CRMソリューション」は、既存のSFAやMAを統合し、さらにAIを段階的に導入・活用できる仕組みを整える実装サービスです。顧客情報を一元管理し、営業・マーケティング・サポートを横断的に結びつけることで、長期的な顧客関係を強化しやすくなります。


AIによるリードスコアリングや優良顧客の自動選別、自動でのメール配信などにより、購買意欲の高い、あるいは将来的に高いLTVが期待できる顧客を特定し、優先度を付けて抽出可能です。


AIエージェントを効果的に実装すれば、多くの営業・マーケティング活動を自動化でき、収益効率を圧倒的に高められます。さらに、過去の商談や行動データを分析することで、最適なタイミングでフォローすることもAIの力を使って実施できます。


また、離脱予測や購買傾向の分析結果を通じて、製品・サービス改善にも継続的に取り組める点も特長です。顧客維持率の向上や、ひいてはLTVの最大化を後押しします。詳しくは、以下のリンクもぜひご覧ください。


AI搭載のCRMを実装しLTVの最大化を目指す「AI Powered CRMソリューション」について詳しくはこちら

  • 8
  • まとめ

LTV(顧客生涯価値)は、顧客が企業にもたらす長期的な利益を測る指標です。ツールを活用してLTVの最大化を図ることで、既存顧客との関係を強化し、安定した収益基盤につながります。


ユニファイド・サービスの「AI Powered CRMソリューション」は、CRM・SFA・MAを統合し、AIを段階的に導入できる実装サービスです。AIを活用したスコアリングや離脱予測などによる施策を通じて、LTVの向上を目指します。詳しくは、以下のリンクもぜひ参考にしてください。


AI搭載のCRMを実装しLTVの最大化を目指す「AI Powered CRMソリューション」について詳しくはこちら

2025年11月21日

“Unisrv AI Powered CRM®” に関する
各種お問い合わせはこちら

この記事の監修者

  • 甲斐 博一

    ユニファイド・サービス株式会社 CMO

    グローバルIT企業における23年間のマーケティング経験に経営企画のスキルも加えB2B/B2Cともに経営とマーケティングを結び付けていくことをモットーとする。また、数多くのデジタルマーケティングおよびECの立ち上げや衰退ビジネスの立て直しも経験し、Webサイトを事業に貢献させてきた経歴を持つ。現在はユニファイド・サービスにて、B2B領域のビジネスにフォーカスし、CMOとしてマーケティングを推進すると同時に、新規事業計画と成長を支援する活動を並行して実践中。経営とマーケティング、事業企画、そしてリーダーシップを次世代に伝えていくための活動もライフワークとして行っている。

CRM関連記事

  • マーケティングオートメーションとは?ツールの導入効果と成功ポイント
  • LTVとは?マーケティングで重要な理由、計算式を解説
  • CRMとは?MA・SFAとの違い、機能やメリットも解説
  • MAツールでできることとは?機能や導入メリット、選び方
  • 案件管理ツールでエクセルの課題を解決。導入メリットや選び方も
  • SalesforceのAI「Einstein」とは?主要機能や価格、活用事例を解説
  • Salesforce Marketing Cloudとは?主要機能から見る“できること”を解説
  • SalesforceのCRMとは?「導入しただけ」で終わらせない活用の本質を解説
  • Salesforceレポートの作成・活用ガイド|基本形式から応用テクニックまで
  • パイプライン管理とは?売上予測と営業戦略を科学する経営手法
  • Salesforce AppExchange完全ガイド|導入から運用まで徹底解説